エプソンが放つ話題の新作『TRUME(トゥルーム) スイングジェネレータ』のメリット&デメリットとは?
はじめまして、マッハです。
本日は、「EPSONが放つ話題の新作『TRUME(トゥルーム) スイングジェネレータ』のメリット&デメリットとは?」ということで、EPSONから非常に興味深い商品が販売されたのでそこについて解説していこうと思います。
EPSONは2020年12月現在、時計事業に関しては、自社ブランドである『オリエント(オリエントスター)』と『TRUME』を展開しています。
まだシェアは小さいですが、時計業界のセイコー・シチズン・カシオの主要3メーカーに続く、「第4の勢力」になりつつあります。
携帯業界で例えるならば、近年「au・docomo・softbank」の主要企業に立ち向かうため「第4のキャリア」となった「楽天」のような存在でしょうか。
そんなEPSONが2017年に立ち上げたブランド「TRUME(トゥルーム)」に新機構「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」を搭載したモデルを追加し、2020年11月19日(木)より全国で発売を開始しました。
従来のTRUMEのGPSソーラーモデルが定価20~30万円台だったこともあり、中々手が届きにくい価格帯でした。
しかし今回の「スイングジェネレータ」のモデルは、定価8~9万と比較的手の届きやすい価格設定に加え、そのデザイン性と機能性の高さによってネットを中心に話題となっています。
そしてまだ発売開始直後、ということもありますが実際に売れているよう。
本記事では、その話題の『TRUME(トゥルーム) スイングジェネレータ』について深堀りしていこうと思います。
本日の記事では、以下の流れで説明していきます。
ちなみに今回の記事の前に簡単に自己紹介しておくと、名前は「マッハ」。
現在、某店舗で現役で時計販売員をしています。
そんなマッハが日々の販売業務の中から得た知識やノウハウや独自の考えをまとめていこうという内容です。
もちろん業務上で得た企業秘密とかは一切書かないのでご安心ください(笑)
では、始めていきましょう。
本内容では以下の記事を参考にしています。
(※著作権上、画像はほぼ使用できませんので予めご了承ください。)
■『スイングジェネレータ』とは何か?
上記の記事にもありますが、今回の新製品である「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」の特徴は、
腕の動きで自ら発電し、クオーツ精度(月差±15秒)で時を刻み続ける画期的機構
のことです。
イメージしやすいように、機械式の「自動巻き」を例に挙げましょう。
「自動巻き」は、主に腕の左右の振りによってローター(※半円形の金属部品)が歯車を動かすことで、ゼンマイを巻き上げて、そのほどける力を動力として時計を動かしています。
その一方で「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」は、腕の左右の振りによってローターを動かし、それを電気エネルギーに変換&蓄電し、クオーツ時計として動かす仕組みのことになります。
先ほどの記事を引用すると、
高精度な自社製クオーツに自動巻き式発電装置を組み合わせる独自技術
ということになります。
ちなみにこれは過去にSEIKOから出ていた『キネティック』の改良版で、この『キネティック』はSEIKOの商標になるので、EPSON製品では「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」と呼んでいます。
当時の『SEIKO キネティック』もそのムーブメント(時計内部の駆動装置)はEPSONが製造していました。
■TRUME新製品の特徴
今回は、「TRUME(トゥルーム)」の「L Collection(エルコレクション)-Break Line-」というシリーズに新たな機構「SWING GENERATOR(スイングジェネレータ)」を搭載したモデルが発売されました。
まず一番大きな特徴は、もちろん先ほど説明した新ムーブメントの「スイングジェネレータ」です。
ただ、その他にも今回の新製品の大きな特長として以下が挙げられます。
①チタンケース
②セラミックベゼル
③金属文字盤
④ルミナスライト
⑤GMT機能
それぞれ簡単に説明します。
①チタンケース
軽量でサビに強く、金属アレルギーの人でも付けられる肌に優しいチタンケース。
こちらに「プロテクトコーティング」を施すことで耐傷性を高めています。
②セラミックベゼル
文字盤周りの淵である「ベゼル」部分にすれ傷に強いセラミックを採用。
見た目の高級感もさることながら、こちらも耐傷性を高めています。
③金属文字盤
ソーラー電波時計では基本的に文字盤はプラスチックでできていることがほとんど。
しかし今回のTRUMEの新作では、金属文字盤を採用することで文字盤部分の鮮やかさや立体感がまるで違う。
画像を使えないのが残念ですが、ぜひ一度実物を見て比べていただきたい。
④ルミナスライト
暗闇での視認性を確保する蓄光機能のルミナスライト。
一般的な蓄光より厚く塗布し、輝度を向上させています。
ここらへんはアウトドアなフィールドウォッチとして良い世界観を出していると思います。
⑤GMT機能
GMT機能とは、2つの時間を同時に表示する機能のこと。
実機の「赤い針」がGMT針として、メインの時間と連動して動きます。
例えば、メインを「東京」の時刻にして、GMT針を「ニューヨーク」の時刻にすることができます。
あんまり実用性は高くないけど、あるに越したことはない。
■『スイングジェネレータ』の"デメリット"について
ここまでEPSONの渾身の新作『スイングジェネレータ』や今回の新作TRUMEの魅力について解説してきました。
が、ここまで読んだ方の中には
・「販売時にはメーカーも販売員も良いことしか言わないから信じられない。」
・「メリットや魅力は分かったけど、デメリットはないの?」
と言った声も聞こえてきそうなので、そこについても解説します。
結論から言うと、デメリットはあります。
まず初めに「『スイングジェネレータ』のメリット」について、再度まとめると以下のように。
〇メリット
⇒定期的な電池交換不要
⇒長時間持続:最大約180日
⇒光が無い環境でも使用できる
⇒クオーツ並みの精度(月差約±15秒)
⇒金属文字盤を採用し、デザイン性が高い
これだけ見ると非常にメリットが大きいことが分かります。
では逆に、「スイングジェネレータ」のデメリットについてはこちら↓
✖デメリット
⇒全く使用していないと止まる⇒巻き上げが自動巻きほど早くない
この点については詳しく見ていきましょう。
全く使用していないと止まる/巻き上げが自動巻きほど早くない
「ソーラー(電波)時計」がずっと暗い所に置いておくとバッテリー切れするのと同様に、「スイングジェネレータ」もずっと使っていないと止まります。
そして一度完全に止まってしまうと厄介で、自動巻きのように少し振っただけでは動きださずに充電に時間が掛かります。
実は、過去にSEIKOの「キネティック」で問題が起こったのはこの点でした。
つまり、
⇒しばらくの間放置
⇒使おうとしたら止まっている
⇒しばらく振っても動き出さない
⇒これは不良品だ!
ということ。
販売員やメーカー側の説明不足もありましたが、購入する側としては自動巻きと同じ理屈で「発電&蓄電」するので、当然自動巻きのように多少振れば動き出すものかと思ってしまいます。
しかし現実としては、振ってもすぐには動き出さず充電には時間が掛かるのです。
そして今回の「スイングジェネレータ」も以前より改良されたとは言え、充電には多少時間が掛かります。
以下がメーカーのHPを参照した『24時間分の充電をするための運動目安量』は以下のようになります。
『24時間分の充電をするための運動目安量』
ウオーキング 約5,000歩(約40分)(注1) ランニング 約3分(注1) デスクワーク 約8時間(通勤除く)(注1) 週末の外遊び トレッキング:約1.5時間(注1) (注1)数値は当社調査の結果で、個人差により前後します。
(参照:https://www.epson.jp/products/trume/world/technology.htm)
上記のように、「スイングジェネレータ」はランニングのような素早く小刻みな腕の振りの動きには充電が早く進む一方で、デスクワーク中心の生活の人だと通勤を除き、1日出勤して1日分充電できる感覚です。
もちろんこれに通勤を加えたら、もっと充電されるのでしょうが。
このように、
・「全く使用していないと止まる」
・「巻き上げが自動巻きほど早くない」
ということがデメリットになってくるでしょう。
■"デメリット"に対する対策
上記で見てきたように、「スイングジェネレータ」にもデメリットはありますが、特に気を付けなければいけないのは「バッテリー切れを起こさせないこと」です。
もしバッテリー切れを起こしてしまうと、先ほど見てきたように充電に時間が掛かります。
これは今回のスイングジェネレータだけの問題ではなく、現行の「ソーラー(電波)」もバッテリー切れとなった場合には1週間ほどの充電が必要になるんですが。
そうは言っても、バッテリー切れを頻繁に起こしては「キネティック」の二の舞。
しかし、そこに関しては今回はちゃんと対策を講じているようです。
■バッテリー切れの対策
①インジケータ―機能
②りゅうずを引いた状態で出荷
③バッテリー保護機能
それぞれ見ていきましょう。
①インジケータ―機能
インジケータ―機能とは、"充電残量を確認する機能"のことです。
2時側にあるボタンを押し、そこからの「秒針の移動量」によってエネルギー残量が分かるようになります。(※しばらくすると通常動作に戻る。)
目役としては、ボタンを押した秒数から秒針が、
5秒⇒1日分以上
10秒⇒7日分以上
20秒⇒1ヵ月分以上
30秒⇒6か月分以上(フル充電)
となります。
これによって残りのバッテリーの残量がどれくらいかを知ることができます。
②リューズを引いた状態で出荷
これは商品を出荷する段階で、リューズと呼ばれる時計の右側にある"針を動かし調整するためのつまみ"の部分があるのですが、これが引かれた状態にしてあります。
このリューズを引くことによって、時計の動きを止めてバッテリーが展示中に減らないようにしているのです。
きっと多くの販売店舗では、展示する際にも引かれた状態である(はず)なので、
「せっかく商品が売れたのにバッテリーが切れてる!」
なんてことは起こらないようになっているのです。
③バッテリー保護機能
バッテリー保護機能とは、"一定期間の間に動きが無いと自動的に時計の動きを停止する機能"のことです。
これがあることでどれだけバッテリーの持ちが変わるのかは、こちらの図を見ていただきたい↓
(参照:Technology & Function | TRUME(トゥルーム)ウオッチ | エプソン)
仮に、「(フル充電の状態で)購入したけど、結局一度も使っていない」というレアケースでもバッテリー保護機能があれば、自動的に運針が停止して、理論上は約5年ほど持つことが分かります。
SEIKOの過去の「キネティック」には、このバッテリー保護機能が無かったために、使用していないと止まってしまうという事態が発生したようです。
ちなみに、バッテリー残量インジケータ―表示に対しての『運針停止機能が働く停止期間の目安』は以下のように。
バッテリー残量 インジケータ―表示 |
約1日 以上 |
約7日 以上 |
約1か月 以上 |
約6カ月 (フル充電) |
---|---|---|---|---|
運針停止機能が働く 停止期間の目安 |
3日 | 8日 | 31日 | 181日 |
(参照:Technology & Function | TRUME(トゥルーム)ウオッチ | エプソン)
つまり、バッテリー残量に応じて運針停止機能が働くまでの目安の期間が変わってくるということです。
このようにして、今回の「スイングジェネレータ」では"バッテリー切れ対策”として、
①インジケータ―機能
②りゅうずを引いた状態で出荷
③バッテリー保護機能
といったものを講じているのです。
■さいごに
本日は『エプソンが放つ話題の新作『TRUME(トゥルーム) スイングジェネレータ』のメリット&デメリットとは?』ということで、新作TRUMEの魅力と、スイングジェネレータのメリット・デメリットについて解説していきました。
メリットはともかく、あまりデメリットまで踏み込んだ内容の記事は見ないので、我ながら頑張ったと褒めていただきたい。(自画自賛w)
普段はTwitterもしているので、ぜひフォローして頂けると嬉しいです。
ということで、以上マッハでした!
Have a nice day!